今ではめずらしくない「ひとり親」家庭。その中でもシングルマザーの平均年収は特に低く、厳しい状況にあります。そんな時、子連れであっても再婚したいな…とふと思ってしまう事もあるのではないでしょうか。ここでは、シングルマザーの現状と揺れる気持ちについて触れてみたいと思います。
この記事の内容
シングルマザーの平均年収はどのくらい?
厚生労働省は平成29年12月15日、「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」の結果を公表しました。
母子家庭の世帯数は123.1万世帯、父子家庭の世帯数は18.7万世帯。ひとり親世帯となった理由を見てみると、最も多いのが「離婚」(母子家庭:79.5%、父子家庭:75.6%)で、次いで母子家庭では「未婚の母」(8.7%)、父子家庭では「死別」(19.0%)となります。
平均年間収入(母または父自身の収入)は、母子世帯が243万円、父子世帯が420万円でした。児童のいる世帯の平均総所得707.8万円と比較すると、約1/3程度の金額となります。
引用元:平成28年度全国ひとり親世帯調査
大学までの養育費は、公立で約1,000万、私立で約2,400万かかると言われています。
このままの年収で子供を育てていく事に不安を感じるのは無理もありません。では、なぜシングルマザーはこんなにも困窮してしまうのでしょうか。シングルマザーの生活や現実について次に見ていきたいと思います。
シングルマザーの生活・現実
なぜシングルマザーの平均年収は低いのか?以下の理由をあげてみました。
養育費の不払い
離婚する時、夫婦の間に未成年の子供がいたら、子供の親権者になる親は相手に養育費を請求する事ができます。養育費は、親が子供の養育のために負担すべき費用です。離婚していても親子の関係が切れるわけではないので、親は子供に対する責任を負います。親権者にならず、実際には子供の監護をすることができなくても、子供の養育にはお金がかかるので、金銭的な負担をする義務を負うのです。
しかし、現状において養育費を受け取れているシングルマザーは全体の2割。残りの8割は養育費を受け取れていないという事になります。養育費に関する取り決めを行っていたとしても不払いになる事もあり、すべてのケースできちんと支払いがされているわけではないようです。
非正規雇用での就労
シングルマザーの平均年収が低い事で最も大きな理由は、非正規雇用での就労を余技なくされている事ではないでしょうか。シングルマザーで働く母親の就労状況の正規雇用の割合は39%、臨時もしくはパート就労で49%となっており、とても低い数字となっています。
例えば、実家が遠方だったり両親が他界してしまったりしている場合、子供が熱を出した等、急な対応をしなければいけない時にサポートがないと正規雇用で働くのが難しくなってしまいます。
実際、私自身も派遣社員(非正規雇用)として働きながら娘を育てています。前職がシフト制の仕事だった為、まずはフルタイムで決まった時間に仕事をするという事、そしてスキルアップを目指す事を目標に派遣社員という道を選びました。
保育園に通っているので、いろいろな病気をもらい、よく熱を出すのですぐに職場に電話がかかってきます。「〇〇ちゃん、熱が出てしまいました。すぐにお迎えに来れますか?」と。派遣社員ではありますが、それなりに責任がある部署で仕事をしています。次の日までに報告資料を作成しなければいけない、今日中に処理をしなければいけないという仕事もあり、私の場合は同居している親に迎えや病院へ連れていってもらうなど、お願いをしてしまいます。
サポートが全くない状態での就業となってしまいますと、やはり正規雇用の仕事を選べず、非正規雇用での就労を選択せざるを得なくなってくるのはないでしょうか。
児童扶養手当の打ち切り
離婚してシングルマザーになると、様々な手当を受けられるようになります。就学援助や児童育成手当等、地方・自治体によってもらえる金額や申請方法が変わってくるものもあるので各自確認が必要ですが、多くの手当によってサポートが受けられます。
手当の中で「児童扶養手当」というものがあります。児童扶養手当は、離婚や死別等によって、ひとり親家庭(母子家庭及び父子家庭)になった場合や、両親を共に失ってしまった場合に、18歳未満の児童を養育している者に対し支給される手当です。
両親のいずれか又は両方が亡くなっている場合や離婚した場合だけでなく、両親のいずれかが重度の障害を有している場合も支給対象になります。また、女性が婚姻せずに子供を出産した場合も支給の対象となります。
子供との時間を優先したり、他にサポートが受けられない状況ですと非正規雇用での仕事を選ばざるを得なくなり、どうしても年収は低くなってしまいます。年収が低くなってしまっても、児童扶養手当があればなんとかギリギリ生活をしていく事はできますが、この手当は18歳までの給付となり、それ以降そのままの年収で生活していく事はとても困難なものになってくるでしょう。
子連れであっても再婚したい
非正規雇用で年収が低く、将来への不安を抱えながら毎日を過ごすシングルマザー。そんな時、子連れであっても再婚できたらいいなと思ってしまう事はありませんか。一緒に人生を歩んでいけるパートナーが欲しい、誰かに頼りたい…経済的な不安を払拭し、安心感を得て生活したいと思う気持ちもでてくる事もあるでしょう。
しかし、子連れで再婚する場合は幸せに感じることもある反面、多くの問題にも直面します。特に子連れで再婚する場合、子供の年齢・子供の気持ちというものが重要になってきます。子供が新しい親に懐かなかったり、中学生くらいになってくると思春期における問題が出てきたり、乗り越えなければいけない壁はたくさんあるようです。
私の考え
今現在、派遣社員(非正規雇用)の形態で仕事をしていますが、やはり年収は低く、周りにいる正規雇用で働いている人達の給料・待遇と比べてかなりの格差を感じています。仕事の内容やスキルアップ、勤務時間等に関してプラスな面を意識すれば、派遣社員としてのメリットもたくさんありますが、このままではいけないと思っているので転職も検討しています。
今は実家暮らし、養育費+児童扶養手当を頂いている為、年収が低かったとしても生活自体は普通に暮らす事ができ、多くはないですが少しずつ貯金もできているのが現状です。
もし再婚をしたとすれば、児童扶養手当や各種手当等はなくなりますが、世帯年収は単純に2倍になるので経済的な不安というものはなくなるのかもしれません。私の場合、子連れで再婚したいと思う理由は、経済的な理由というよりもどちらかというと精神的な安定を求めてしまうからだと思います。年収が低くても、子供の将来を一緒に考えていける、相談できる、ただそれだけで再婚してよかったと思える一つの理由になるのではないでしょうか。
子連れで再婚する事は様々な問題にも直面しますが、やはり経済的・精神的な安定を求めて期待してしまう人も多いのだと思いました。
まとめ
いかがでしたか?非正規雇用を選択しなければいけない状況のシングルマザーの平均年収は低く、とても厳しいものだという事がわかりました。金銭的・精神的な安定を求めて「子連れでも再婚したい」という気持ちになる事もあると思いますが、幸せな再婚をする為には焦らず慎重に進めていく事が大切な鍵となってくるようです。